英語は読めるのに、なぜ書けない?「認識」と「再生」は別の記憶
公開日 22 September 2026
英語が読めるのに書けない、という組み合わせはとてもよくあり、しかも筋が通っています。読むときに使うのは「認識」の記憶で、because を見て「あの単語だ」と分かれば十分です。書くときに使うのは「再生」の記憶で、最初の文字から最後の文字まで、自分の頭から取り出さなければなりません。この2つの記憶は別々に作られ、どれだけ読んでも、読んだ分が自動的に書ける力にはなりません。
だから「たくさん読めば、つづりは自然に身につく」という助言は半分しか正しくありません。読書で「見れば分かる」語は増えますが、「見なくても書ける」語は別の練習でしか増えません。以下、なぜそうなるのか、そして本当に差を埋める練習を説明します。
認識と再生は、別の能力
読むとき、子どもはすべての文字を見ていません。b-e-c-a-u-s-e のおおまかな形と文脈があれば because と読めます。中の数文字を入れ替えても、読み慣れた子はそのまま読めてしまうことが多い——最初から一文字ずつ見ていないからです。
書くときは逆です。ヒントは何もなく、7文字を順番どおり記憶から出さなければなりません。because を何百回も読んだ子でも、そのすべてが「認識」であって、「再生」は一度もしていません。
単語テストが測るのは再生です。読書が鍛えるのは認識です。読書量の多い子でも、再生の練習量はゼロかもしれません。
できること: すらすら読めるページを選び、隠して、数語を言って書かせてみてください。書けない語が「分かるけれど書けない」語です。この一回のテストが、どんな説明より雄弁です。
速く読める子ほど、文字を飛ばす
読むのが速いほど、一文字ずつは見なくなります。読解では長所ですが、つづりでは短所です。流暢に読む子ほど、文字の順序に鈍感になります。
だから、クラスで一番よく読める子の単語テストが必ずしも良くない一方、ゆっくり一文字ずつ読む子のつづりが安定していることがあります。頭の良し悪しではなく、二つの技能の練習量がちょうど逆なのです。
できること: ときどき「ゆっくり読み」をさせてください。一つの語を一文字ずつ声に出し、そのあと語全体を読む。これが、読書の時間をつづりの練習に変える唯一の方法です。
英語のつづりには規則があるが、読書はそれを学ばせない
英語のつづりには規則があります。いつ最後の子音を重ねるか(running だが hoping)、いつ -ies にするか(babies だが boys)、どの文字が発音されないか。読むときはどれも知らなくて済みます——見れば分かるからです。書くときは、すべて使います。
running を千回読んでも、なぜ n が二つあるかは分かりません。だから runing と書いて、「この単語、知っているのに」と困惑します。
できること: つづりの規則は別に教える必要があります。ただし教える価値があるのは数個だけです。どれを教え、どれを教えないかは教える価値のある英語のつづりルールにまとめました。今はまず、読書は規則を教えてくれない、と知っておいてください。
日本の子どもに特有の壁:カタカナ
もう一つ、日本の子どもには読める・書けないの差を広げる要因があります。カタカナで知っている語は、カタカナの音で記憶されていて、書くとそのまま出てきます。desk を「デスク」で覚えていれば desuku、strike は sutoraiku に近づきます。
読むときは問題になりません。desk を見れば「デスク」と分かります。書くときだけ、余分な母音が出てくる。読める・書けないの差が日本では特に大きいのは、この仕組みが上乗せされるからです。詳しくはカタカナが原因?日本の子どもが英語スペリングで間違えやすい理由。
できること: 書く前に必ず英語の音声を聞く。カタカナで知っている語ほど、英語の拍を数えてから書く。
手書きとワーキングメモリも足を引っ張る
単語テストでは同時にいくつものことをしています。聞く、音に分ける、音ごとに文字を選ぶ、手で書く、次の語を覚えておく。低学年や中1の子は手で書くこと自体に注意を取られ、文字の順序が乱れます。
だから、口で言えるのに(b-e-c-a-u-s-e と口頭では言える)書くと間違う、ということが起きます。できないのではなく、同時にやることが多すぎるのです。
できること: 先に口で一度つづり、それから書く。二段階に分けるだけで、ワーキングメモリの負担は半分になります。
差を埋める唯一の練習
読書はつづりにならない。しかし「再生」の記憶を直接作る練習が一つあります。見て、隠して、書いて、確かめる。 一語につき一分です。
- 見る:語を読み、一文字ずつ言い、長い語は音のまとまりで区切る(Wed-nes-day)。
- 隠す:手や紙で覆う。
- 書く:何も見ずに書く。
- 確かめる:手本と照らし合わせる。違えばどの文字かを見て、もう一度。
「隠して書く」が、読書が一度も与えてくれなかった再生の練習です。一つの語をこの方法で、日を変えて三、四回取り出せば、ほぼ定着します。書き取りより効くのはそのためで、理由は「10回書いて覚える」が効かないときに。
毎日の時間は短くていい。1週間で20語を書けるようにする手順のとおり、日を分けた10分が、前夜の1時間に勝ります。
よくある質問
英語の本はよく読むのに単語テストがひどい。努力不足ですか?
違います。読むのと書くのは別の記憶で、読んでも書ける力にはなりません。足りないのは努力ではなく、「隠して書く」という再生の練習です。
読書はつづりにまったく役立たないのですか?
役立ちますが限定的です。「見て分かる」語が増え、よく出る文字の組み合わせにも慣れます。ただ「見て分かる」と「書ける」の間には再生の一歩があり、それは読書では得られません。
ゆっくり読ませるべきですか?
ふだんの読書は不要です。つづりの練習のときだけ、一つの語を一文字ずつ声に出させ、それから語全体を読む。これが読書を練習に変える唯一の方法です。
口で言えるのに書くと間違うのはなぜ?
ワーキングメモリです。書くときは聞く・分ける・文字を選ぶ・手で書く・次を覚える、を同時にしています。先に口でつづってから書く、と分けると、たいてい改善します。
年齢とともに自然に治りますか?
自然には治りませんが、簡単に補えます。方法が合えば数週間で違いが出ます。方法が合わないまま学年が上がると、語が長くなるほど差は広がります。
今日できること
一番すらすら読める本を選び、隠して、10語を言って書かせる。書けなかった数語が、今晩「見て、隠して、書いて、確かめる」語です。
毎日この方法で練習したいが自分で語を読み上げたくない、という場合は、SpellEasy が使えます。単語リストを写真で取り込み、ネイティブ音声を聞いて何も見ずにつづりを打ち込み、間違えた語は自動的に苦手リストに残ります。読書ができない、その一歩だけをするアプリです。